キミ:次の7組に行く前に、ちょっといいかな?

シン:どうした?

キミ:いや、青バトセミファイナルAブロックのことなんだけどね・・・。

シン:楽屋でやれ。今は司会業に専念しろ。

キミ:だって、もうすぐ結果出るんでしょ?不安で不安で・・・。

ケイ:私も・・・。今回、私たちだけが楽しいネタにもなりうるから・・・。

シン:気持ちは分かるが、今はGSCの結果発表なんだから、それをやってから楽屋で話し合おう。

キミ:そうだな・・・。では、次の7組のネタをどうぞ!

ケイ:(シン・・・正直さ、どう思うの?)

シン:(・・・とりあえず、審査してくれた人と銀さんに謝りたい。


※この収録は青バトセミA結果発表前に収録されたものです。


長文デビュー時から高記録を連発して行き、あっという間に実力者の仲間入り!大喜利時代から培ってきた手腕で勝利を掴むか!?


広川:さて・・・どうしようもないネタを用意してきましたが。

高田:このネタで飯が食えたらどんなに楽なことか。

広川:無理だろうな。




芸幅広く、目標高く
ひろたか

漫才/RPGゲーム?

広川:どうも、ひろたかです!GS杯ということで頑張りたいと思います!
   さっそくですけど、俺やっぱりゲームといえばRPGが好きなんですよ。

高田:・・・はぁ。
   広川がそう言うんじゃないかと思って、今日は長編RPGゲームを作ってきましたよ。

広川:マジかよ!?よく用意したな。

高田:ええ・・・普通に勇者を含む人間達と魔物が戦うっていうベタな設定ですけども。

広川:逆にそういうベタなのが良いんだよなぁ、雰囲気出てて。

高田:そうですか。では、ちょっとやってみますか?

広川:おう。最近普通のRPGとかやってなかったから是非やりたい。

高田:では始めますね。



   デロデロデロデロ・・・

広川:おお、いきなり不吉な音から入るんだなぁ・・・

高田:『セーブデータ1は 消えてしまいました』

広川:いや意味が分からないよ!確かにスーファミ時代のドラクエとかでそういうのあるけど!
   ってか待て、まだ初めてもいないのに何でセーブデータが消えるんだよ?

高田:あぁ、これは俺が昨日テストプレイした時のセーブデータを消したまでだ。もう不必要だと思ってな。

広川:しかもお前自身が消したのかよ・・・
   ってかそういうヘンな設定はいいからさ、早くゲーム始めさせてくれよ。

高田:分かった、分かった。では・・・



   デロデロデロデロ・・・

広川:いや、だからお前な?

高田:『勇者とその仲間に関するデータが ゲーム設定から消えてしまいました』

広川:どういう事だよ!?ゲーム設定まで消えるってどういうつもりだよコレ!?

高田:あぁいや、何せ大長編だから俺も全部覚え切れてなくてさ・・・消えた事にさせてくれ。

広川:知らないけどさ・・・だとしても勇者の設定全部消すっておかしくないか?

高田:デロデロデロデロ・・・

広川:まだ続くのかよ!今度は何が消えるんだよもう・・・

高田:『ゲーム内の全ての老人は 消えてしまいました』

   『ゲーム内の全ての女性は 消えてしまいました』

   『ゲーム内の全ての40代以下の男性は 消えてしまいました』

広川:消えすぎだろ!!
   何だよコレ、ほぼオッサンと魔物しか残ってないのかこのゲーム!?

高田:さて、ゲームを始める事にしますか。

広川:いや、もはや始めて大丈夫なのかコレ!?これ本当に普通のRPGになるの!?

高田:「ここは、とある森の中。」

広川:まぁ確かにRPGの始まりっぽいけど・・・

高田:・・・・・・

広川:・・・どうした、次に進まないのか?

高田:あぁ、最初の場面は勇者と女性が戯れるシーンだったから、もう何も映らないんだ。

広川:もう完全なる欠陥品じゃねーか!!登場人物のデータなんか消すから!!

高田:まぁ、ずっと森の幻想的な風景をお楽しみください、ということで・・・

広川:全く納得できないよ!!せっかくRPGが楽しめると思ったのに!

高田:うーん、そうですねぇ・・・
   じゃあ元々オッサンとか魔物とかだけで構成されていた部分だけでもプレイしてみますか?

広川:あぁ・・・もう仕方ないからそれでいいよ、プレイできるのかどうか知らないけど。

高田:分かりました。本来はストーリー後半になるんですけどね。
   舞台は、オッサン集団が魔物たちを支配している町。

広川:どんな町だよ!?オッサン達強いな!

高田:魔物たちは、オッサンの悪政や悪臭にたいそう苦しめられていました。

広川:悪臭って・・・魔物次第では魔物自体も臭い気はするんだが。

高田:しかもワケの分からない政策をとってますからね。「羽の生えた魔物は満員電車の中で邪魔だから増税!」とか。

広川:確かに意味不明だな。・・・ってか何だ、この世界には電車まであるのか?

高田:そんな中、この町の噂を聞きつけてやってきた主人公一同!

広川:主人公・・・?え、ちょっと待てお前、さっき消えた勇者やその仲間達が主人公じゃなかったのか!?

高田:いや、一言もそんな事言ってませんけど?
   このRPGは、人間達の横暴に腹を立てた魔物達が、人間を滅ぼそうとするストーリーなんですけれども。

広川:そういう設定だったのかよ、確かに人間対魔物だけど!RPGとしてそんなにベタでもないだろ・・・

高田:さて、町に着いた主人公の魔物一同の会話。

   魔物A「何かこの人間を滅ぼす旅って楽だよな。」
   魔物B「な。オッサンしかいねぇもんな(笑)。」

広川:ゲームの設定!おまえがいろいろ人間消してるせいで難易度変わってきちゃってるし!

高田:魔物C「ってかさ、オッサンしかいないんだったら、今後人間が繁栄すること無くねぇ?」
   魔物D「だよなだよな、これ30年くらい経てば自然にゲームクリアじゃね?(笑)」

広川:ゲームの設定!!っていうかゲームの中の奴らがクリアとか言うなって!

高田:魔物達の談笑は朝まで続いたという・・・

広川:ってか待てお前、俺にプレイさせる気はあんのかよコレ?もはや俺自身どうでもよくなりかけてるけど。

高田:じゃあ戦闘シーンやりますか。

   デデーン!「糖尿病のオッサン」が現れた!

広川:はぁ、やっぱりオッサンか・・・糖尿病とかリアル過ぎて不謹慎な気がするんだけど。

高田:魔物達のターン!どうする!? ア 逃げる  イ 待つ  ウ 見守る

広川:倒す気ないのな!さっきの魔物達の会話から想像つかなくないけど!
   もう適当にイとかでいいよ。

高田:糖尿病のオッサンは大地に祈りを捧げた!地割れが起こった!魔物達は壊滅的な被害を受けた!

広川:超展開過ぎるよ!!そのオッサンいろいろとどうなってるんだよ!

   ・・・ってかお前さぁ、変わった設定にしたりいろいろ消したりして、全然筋道の通ったストーリーになってないじゃないかよ。

高田:くっ・・・



   デロデロデロデロ・・・・・・

広川:・・・何だよお前。まさかこのゲームの存在自体を消したりして逃げる気じゃないだろうな?

高田:・・・口臭スプレー(プシュー)

   『広川の口から 嫌な匂いが 消えてしまいました』

広川:うわっ!?突然何するんだよお前!?
   
高田:さっきから散々我慢してたんだけどなぁ、お前その口臭ヤバイぞ!?
   俺ゲーム内のデータ消しまくったりいろいろしてたけど、これ本当は『お前の口臭消したいんだ』っていうメッセージだったんだからな!?

広川:分かるワケねーだろ!!ってかお前そんな事の為に設定変えまくってたのかよ!?
   いや、確かに口臭については申し訳なかったけど、出番前に言うとかしてくれれば良かったのに!

高田:まぁ、とにかく口臭が収まったから、これでお前の好感度もアップだな。さぁ、ゲーム続けるぞ。

広川:むしろ公開処刑されている気がするんだが。ってか俺はそのゲーム続ける気がしないし。

高田:デロデロデロデロ・・・

   『広川の口臭解消により ゲーム内の全ての40代以上の女性が 復活しました』

広川:何でオバサンだけなんだよ!!もういいよ!




CGI時代から高記録を連発し、現在はリアルでもお笑い活動中。もはやこの男にスキなど見当たらない!!言うたった、言うたった。


ガリ:がーりがーりーくんっ がーりがーりーくんっ がーりがーりーくーん

デブ:でーぶでーぶーくんっ でーぶでーぶーくんっ でーぶでーぶーくーん




ぱおーん
デブガリズム

漫才:売れたらやりたいこと

ガリ:やっぱり芸人売れたらやりたいことがたくさんあると思うんですけど、僕が一番やりたいのは何と言ってもサイドビジネスなんですよ。

デブ:芸人としてMCだとか単独ライブみたいな夢はもてなかったのかよ。
   まぁいいですよ、どんなのがしたいんですか?

ガリ:まぁザっとですけど、ナイトクラブ、サウナ、割烹料理店あたりの経営を。

デブ:それ全部板東英二がやったサイドビジネスですけどね。

ガリ:まぁホントに経営したいのはこんなもんじゃないんですよ。

デブ:人がやったこと並べて「こんなもん」って言うのも失礼な話だけどね。何がやりたいんですか?

ガリ:ピンサロです。

デブ:最低か!!なんていかがわしい店の話をするつもりだよ!?女性のお客さんだっているだろうに。

ガリ:まぁまぁそう言わずに。良い子そろえてますから、来てほしいんですよ。イチオシ三人娘なんですから。

デブ:三人娘とか昭和か。どんな子がいるの?

ガリ:イチゴちゃん、メロンちゃん、コーンちゃんです。

デブ:コーンちゃん!?ベタ、ベタときて急に奇をてらってきたな!

ガリ:さぁ、どなたでも指名してくださいよ!

デブ:じゃぁ・・・興味本位でコーンちゃんかな。

ガリ:わかりました。うんこの中で消化されずに残ってるコーンちゃん、スタンバイお願いしまーす!

デブ:一旦キャンセル入りまーーす!
   おい、なんだよ名前の前についたゴチャゴチャしたのは!?

ガリ:あぁ、言ってなかったですね。うちの店って源氏名にフルネームがあるんですよ。たとえばイチゴちゃんは天美イチゴですよ。

デブ:あぁー、イチゴの甘みと天美がかかってるんですかね。ではメロンちゃんは?

ガリ:残った皮は漬物にしようメロンちゃんです。

デブ:なんだよその勿体無い精神!

ガリ:やっぱりね、残り物は捨てずに然るべき場所に、メロンの皮にとってはそれがヌカ床だったわけですよ。
   そして、うんこの中で消化されずに残ってるコーンちゃんにとってはデブさんだったんですね。コーンちゃんスタンバイお願いしまーす!

デブ:完っ全にキャンセルだよバカ野郎!なんだよ人を便所みたいに言いやがって。すぐにイチゴちゃんあたりにチェンジさせろよ。

ガリ:ホントにいいんですか?すごいテクですよ?うんこちゃんは。

デブ:もううんこちゃんになってるじゃねぇか!下の名前どこいったんだよ!?

ガリ:生えてる毛の数だけテクがあるんですから。

デブ:そんな「生えてる毛の数だけコーンの粒がある」みたいな設定いらないよ。

ガリ:デブさんそんな恥ずかしがっちゃって!まさかデブさん、包茎ですか?

デブ:ま、まぁこんなところで言うこっちゃないですけど包茎ですよ・・・

ガリ:それならメロンちゃんがオススメですね!

デブ:お、まさかこの余りあまった皮を使ったすごいテクを持ってるんですか!?なんかすっごい恥ずかしい発言してるな俺!

ガリ:なんとメロンちゃん、残った皮を漬物にできるんですよ!

デブ:キャンセル入りますだよクソ野郎!やっぱりイチゴちゃんにチェンジさせろよ。

ガリ:仕方ないなぁ・・・どうも、僕が天美イチゴです。

デブ:なんでお前なんだよ!

ガリ:意外といけるんじゃないかと思って。

デブ:お前を指名するのなんてとんだ好き者だよ!こんなゴミみたいなピンサロ成功するわけねぇだろ。

ガリ:じゃあもうひとつ夢があるんですよ。冠番組を持つことです。

デブ:お、やっと芸人らしい夢が出てきましたね。で、どんな感じの番組がいいとかイメージあるんですか?

ガリ:そうですね、マジカル頭脳パワーみたいなのを。

デブ:それ板東英二がやってたやつじゃねぇか!

ガリ:ヘキサゴンにのっとって3チームに別れて解答するんですよ。

デブ:おぉ、もう「のっとって」っていうか完全にパクってるけどな。

ガリ:イチゴチーム、メロンチーム、コーンチームの3つです。

デブ:その組み合わせはやめろ!絶対に失敗する魔法の組み合わせだよバカ野郎!
   またイチゴの赤、メロンの緑、コーンの黄色が綺麗にヘキサゴンのチームと被ってんだよ!もう冠番組もボツ!

ガリ:冠は無理だとしてもレギュラー番組もちたいね!クイズ番組とかさ。

デブ:今ヘキサゴンとかアツいですからね。何の番組ですか?

ガリ:世界不思議発見。

デブ:それも板東英二がレギュラーやってるやつだよ!

ガリ:黒柳徹子さんのことを「お母さん」って呼びたいでしょー。

デブ:それも板東英二の番組内で黒柳徹子の呼び方だし!どこに憧れてんだよ!?
   もっと普通にやりたいことないの!?

ガリ:高校野球の奪三振記録がほしい。

デブ:それも板東英二が保持してる記録だよ!今から目指せる夢!

ガリ:あと歌手デビューもしたいんですよ!

デブ:たしかに売れて歌を出す芸人さんいるけども!何を歌うんだよ?

ガリ:燃えよドラゴンズ。

デブ:そうくると思ったわ!それも板東英二が歌ってるやつだよ!

ガリ:いや、ここは水木一郎さんに憧れたんですよ。

デブ:じゃあアニソンを例に出せよ!ややこしいな!
   もうお前みたいなヤツはめんどくさいから夢を持つな。バイトでもやりながら地道に暮らせ。

ガリ:バイトかぁ・・・仕方ないから牛乳売りでもするよ。

デブ:それも板東英二が一番最初にやったサイドビジネスだよ!いいかげんにしろ。




若手芸人の造詣に深いほど、お笑いを愛し追求してきた。彼らが鍛えてきたお笑いの真髄をとくと見よ!


栃城:せっかくの大舞台なのにまさかの旧作で挑戦です。
槍沢:新ネタ作りたかったんですけどね……。




笑いやらさでおくべきか
言霊連盟

誘拐

槍沢:はいどうも、言霊連盟です。
栃城:さっき、ここ来るときに小学生を誘拐してきたんだけどさ。
槍沢:なにしてるんだよ!
栃城:どうやって人質の家族と身代金の交渉をしたらいいかわからないんだよね。
槍沢:そんなことより、まずは自首しろ。
栃城:で、ちょっと電話を使った身代金交渉の練習したいんで付き合ってもらえますか?
槍沢:それよりすぐに子供を解放して、警察に……。
栃城:プルルルル〜 プルルルル〜
槍沢:無視ですか? わかりましたよ。ガチャ。もしもし。
栃城:お宅のお子さんは預かった。
槍沢:な、なに? 本当か!?
栃城:ああ、ガタン 本当だとも。ゴトン 返して欲しければ、ガタン これから言うことを、ゴトン 聞くんだな。ガタン
槍沢:ちょっと、いいかな。なにさっきからガタンゴトンって?
栃城:こうすることで犯人のアジトは線路沿いにあると間違った情報を与え捜査に支障をきたすかなと。
槍沢:きたすわけねえだろ。叶わぬ望みだよそんなもん。で、えっと。わかったなんでも言うことは聞く。用件はなんだ!
栃城:金だよ、金。息子を返してほしければ身代金として七万円よこせ。
槍沢:少ないな! 七万程度ならバイトして稼げよ!
栃城:その金を使って四国に温泉旅行に行くのだよ。
槍沢:使い道どうでもいいよ。
栃城:いわゆる高飛びだ。
槍沢:高飛びって言うか観光だろ。それは分かったから息子が元気な証拠を見せろ!
栃城:わかった。はいチーズ パシャ。……今、写真を撮った。
槍沢:意味ないよ! 今見られないから!
栃城:ポラロイドカメラで撮ったんだぞ。
槍沢:関係ないよ。そうじゃなくて声だよ声。声を聴かせてくれ。
栃城:わかった。坊主、替われ。
   パパー!
槍沢:光策! 今、元気か!?
栃城:うん。ぼく元気だよ!
槍沢:そうか……。よし、じゃあ今どこにいるか分かるか?
栃城:いまあ?
   (激しく拝みながら)ガッターンゴットーン、ガッターンゴットーン、ガッターンゴットーン。
槍沢:なに頼んでるんだよ!
栃城:………線路沿い。
槍沢:気遣われてるじゃん! 確実に苦笑しながら伝えたよな。
栃城:じゃあ、身代金はしっかり用意しろ。七万円で息子の命が助かるのなら安いと思え。
槍沢:本当に安いよ。
栃城:こんな感じでどうかな?
槍沢:どうかなじゃないよ。まず、身代金が七万円てなんだよ。安すぎだろ!
栃城:いやでも、いきなり五千万とか一億円とか言ってもためらうでしょ。
   まずは七万円からスタートして、徐々に要求を吊り上げて最終的に五千万円を手にする作戦なんだよ。
槍沢:だからって最初のハードル低すぎでしょ。
栃城:最終的には身代金五千万円と逃走用の青春18きっぷを手に入れるんですよ。
槍沢:なんでさっきからちょいちょい観光気分なんだよ! 誘拐犯なのに逃走用ってのもわからないし。
   ていうか、そもそもなんで誘拐なんてしたんですか?
栃城:実は俺には病気の妹がいてな……。
槍沢:そうだったのか……。でも、妹さんだってお前がこんなことして手に入れた金で
手術したところで……
栃城:遊ぶ金欲しさだ。
槍沢:妹関係ないのか! なんだよ遊ぶ金って! 手術に大金が必要だからじゃないの?
栃城:マジアカがすごく面白いんだよ。
槍沢:聞いてねえよ! てか、遊びってゲーセンかよ。 
   あのさ、誘拐なんて成功するはずないから、もう警察に電話しな。今ならまだ引き返せるよ。
栃城:……わかった。そうするよ。ピポパ。もしもし、警察ですか。実は小学生を誘拐したんですが……。
   子供を返して欲しければ身代金として七万円を用意しろ!
槍沢:なんにもわかってねえだろ! いい加減にしろ。
二人:ありがとうございました。




青バトの勝率を見ても分かるとおり、彼らほど積極的に企画の記録を追い求めたものはいない。今大会でも記録をたたき出すか!?


真田:とっときのネタを温存しました。

島村:仕方ないね。




あぁん!?(地獄に)入ったやろ!?
エイジアンエイジアン

【高 嶋】H  O  T  E  L【政 信】

真田:はじめまして社長。真田と申します。

島村:あれ?真田君だと?今日は田中君が説明に来ると聞いていたんだが。

真田:今日は田中は来られないので代わりに自分が来ました。それでこれが大まかな予定書です。

島村:そうか。ふーむ…本館に宴会場が10箇所ねぇ…これはちょっと多すぎやしないかい?

真田:個人的にそういう所の客層も狙いたいと聞いているので。

島村:そうか。じゃあそれはいいとして本館と別館のサービスとかが似すぎてるのはなー。
   本館には無いけど別館にはあるみたいなのがあるといいと思うんだけど。

真田:いや、ありますよ。

島村:あったのか。それちゃんと書いておいて欲しかったな。

真田:別館にはトイレがあるんですけど。

島村:本館には無いのっ!?

真田:はい。それでそのトイレにも斬新な機能付けた方がいいですかね。

島村:まず本館にもトイレつけるのが先だろ!

真田:トイレのドアにオートロック機能をつけましょう!

島村:やめとけって!!部屋につけるならまだしもトイレって。

真田:でもこれで人に見られる率が下がるから大丈夫ですって。

島村:大丈夫じゃないから。それでアレだけ本館に宴会場つくっといてトイレ無しって。吐く人とかたくさんいるだろう。

真田:その人たちは無理矢理口塞いで出させなければ大丈夫です。そこも嘔吐ロックすれば。

島村:上手くないよ!

真田:それに中高年の人達もトイレが近いってよく言うじゃないですか。

島村:トイレが近いってそういう意味で言ってないから!っていうかちゃんとしたのは無いのかい?

真田:そうですね。癒し効果を狙って廊下も部屋も全部サウナにするっていうのはどうです?

島村:癒されるかぁっ!!

真田:サウナって言ってもアレですよ。ミストですよ。ミストサウナですよ。

島村:ミストっていうかどう考えてもミスだわ!そんなもん暑くてしょうがないから。

真田:まぁホテルなだけに「火照る」という事で。

島村:いやいや、サラッと上手くまとめようとするな。

真田:それで空いた部屋を暗くしてキノコを育てるとかどうですか?そうすれば食材費も浮くと思いますし。

島村:いや、食材費よりサウナの電気代の無駄が気になってしょうがないよ。

真田:空き部屋を…マッシュ「ルーム」にしてですね…。

島村:なんかやかましいわ!

真田:そうだ!何部屋かに「きのこの山」を置いて「スウィートルームです」っていうとか。

島村:確かにスウィートだけど誰が騙されるんだよ!
   しかも全室にミストサウナ付けるっていっておいてチョコレートとか!

真田:すいません…。

島村:本当にちゃんとしたのは無いのかい?

真田:じゃあ、ラスベガスのホテルって結構カジノとかの儲けが多いからそういう賭け事みたいなのを売りにしたらいいと思うんですが。

島村:アレはアメリカだからいいけど。日本じゃ法律とかがなぁ。

真田:別館にある100個のトイレの中でどのトイレが一番排泄量が多いか賭けて、当たった人には賞金進呈。

島村:随分酷い発想だな!

真田:ルールは一人一日二回以上同じトイレで出さないこと。それで不正が無いようにカメラをセットして。

島村:まずそれが一番不正な事に気づこうっ!

真田:この賭け事の名は「TOTO」我ながらいいネーミングセンス。

島村:くじの方にもメーカーの方にも訴えられるわ!もっとこう「いい景色が見られる」とかちゃんとした利点無いの?

真田:いい景色ありますよ。何処の部屋からでも男風呂が見られるっていう。

島村:見えちゃダメだろ!!いい景色でもないし。

真田:オッサンビューですよオッサンビュー。

島村:オーシャンビューみたいに誇られても困るって!

真田:入る方も開放感があっていいじゃないですか。

島村:それは変態限定!全く…キミの発想の下衆さには恐れいるよ。

真田:それで料理の材料もちゃんと調達できるようにするつもりです。例えば鮭。

島村:鮭かぁ。いいんだけどさ予定書見る限りだと近くに海は無いみたいだけど。

真田:川はあるじゃないですか。だから産卵のために川に上りに来る鮭をとる。

島村:でも川でとれた鮭ってあんまり美味しくないって聞くけど。

真田:で、捕り方なんですけど…。

島村:おー…どんどん行くか。

真田:鮭って川をさかのぼるじゃないですか。
   だからその習性を利用してトイレの水を流しっぱなしにすれば「あっ!こっちが川の上流か!」って鮭が勘違いしてトイレの奥から出てくると思うんです。

島村:そのキミの考え方が勘違いだよ!!またトイレの話になってるし!

真田:それは仕方ないです。

島村:仕方なくないって。なんだい、この糞みたいな計画。

真田:まぁトイレなだけに「だいべん」者というわけで。糞なのは仕方ないです。

島村:汚ないまとめ方をするな!もう懲り懲り!!




「シベリア派遣部隊」「シアンビッツ」など、様々な実力者のつどう銀沙灘プロデュースの新ユニット!果たしてその秘めたる実力は!?


和泉:こんな大規模な企画出るの初めてなので
   今日は朝から奮発して白パン食べてきました!
結城:価値観。




翻訳しても意味出なかったんですけど。
VielStil

漫才/ああ、素晴らしき学問

結城:どうもー、VielStilでーす。どうもよろしくお願いします。

和泉:本番直前になってトイレにダッシュで駆け込んだ相方と漫才しまーす。

結城:始まって早々にそういうこと言うなよ!緊張したんだから仕方ないだろ。

和泉:まあ床上手でさ、あ、ところでさ。

結城:間違えないだろ普通!「とこ」しかあってないよ。

和泉:ちょっと話したい事があるんだけど。

結城:何だ、申せ。

和泉:おお、申す。
   実は、今頃になって学ぶことの素晴らしさに気付いたのよ。

結城:おー、いい事じゃん。今は何学んでんの?

和泉:トイレ学っていうんだけどさ。

結城:よーし、待て待て。ここは冷静かつ堅実に聞こう。
   そんな馬鹿げた学問があるか?

和泉:あるよ。だってオレ東京大学トイレ学部卒だもん。

結城:東大も堕ちたな!何を血迷ってそんなアホアホな学部作ったんだか。
   てかその前にオマエよく東大受かったな。

和泉:うん。だって教科はセンター試験からトイレ史、トイレ語、トイレ力学だし結構ラクだったよ。

結城:うわ、専門色つえー。オレ初めて聞く教科ばっかだわ。

和泉:トイレ力学は面白いよー。
   ウォシュレットのベストな角度や水の勢いを追求したりする一番楽しい教科だよ。

結城:一番アホの間違いじゃねえの!?

和泉:最近では河合塾あたりでもこれらの教科を教えてるとか。

結城:名門大学や大手予備校がこんなだから学力低下に歯止めがかかんねえんだよ!

和泉:それくらいトイレ学は人気があるってわけさ。
   最近では『月刊 おトイレ学ですわよ』って雑誌も出たし。

結城:なんでちょっと有閑マダム調のタイトルなんだよ!大体そんな雑誌どこが出版すんだ。

和泉:お前デアゴスティーニなめんなよ?

結城:あー、あそこならやりそう。コアな雑誌出してるし。

和泉:さて、トイレ学の凄さがわかってもらえたところでここからはオレの好きなように話すわ。

結城:どこをどう解釈したら「わかってもらえた」なんて言えんだよ。
   オレが同意したのデアゴスティーニの創刊スピードの凄さだけだぜ?

和泉:まず、「血中成分を元に体内生成された液体の放物線軌道とその着地点の関係性についての研究」だが。

結城:ごめん、もうちょっと噛み砕いてくれる?

和泉:OK。「放尿が便器の中にうまく収まる距離の限界を調べよ〜」
   これでいい?

結城:どストレート過ぎるわ!オブラート使えオブラート。

和泉:毎回トイレに行く度に少しずつ後方から…

結城:あー!さっきトイレがびちゃびちゃだったのオマエのせいか!

和泉:うん、さすがに5mはムリだったわ。洗面所から一番奥の便器狙ったんだけど。

結城:それ途中で人が入ってきたらどうすんだよ!

和泉:いや普通に「あ、ならオレも」とか言って一緒にチャレンジするっしょ。

結城:んなバカな試み誰も乗らねえよ!第一それが普通の世の中だったらオレ地獄にありったけの夢と希望託すわ!

和泉:「ボクもやっちゃうぞ」「ワシも負けんぞ」「ちょお気持ちいぃぃぃぃ!!」

結城:はいはーい!たぶん狂った北島康介がいまーす!

和泉:てな具合に一人の飽くなき挑戦によって皆が仲良くなれるという大変素晴らしい研究なんだよ。

結城:にわかには信じ難いけどな。

和泉:あとは「重力落下速度と衝撃による水の形状変化の関係性についての研究」というのも興味あるんだけど。

結城:えー……詰まるところ?

和泉:「洋式でおっきいのした時に水がパチャってはねてケツにつくのってやだよね 〜くまさん、だぁいちゅき〜」

結城:そんなもんちょっとしたあるあるネタに過ぎねえじゃねえか!そしてなんだその全く関係ないサブタイトル!

和泉:どうしたらそれがなくなるか日々、というか7,8日おきに研究してるわけだけど……。

結城:あー、重度の便秘なんだ。

和泉:一応現時点では便座の上で腕組んで仁王立ちして垂れ流すってのがベストという結論が

結城:格好は男らしいけど汚ねえよ!!ぜってー便器以外に落ちるだろ!

和泉:まあ時々パンツにインしちゃうのがたまに瑕かな。

結城:結果漏らしてるのと一緒だよ!
   あ、今気付いたんだけどさ、それをさっきみたいに公共の場でやってるとドアから頭はみだして
   「あの人なにやってんだろ……?」って思われない?

和泉:バカだなぁ。トイレ学の研究の真最中の人は世界で一番崇拝すべき人なんだぞ?麻生、オバマなんて下僕だぞ。

結城:トイレ学優遇され過ぎだろ!先進国の首脳を下僕とか!

和泉:きっと見た人はこう言うさ。
   「あ、あの人今研究してるんだな」「ワシも昔やったのぅ」「なんも言えねえぇぇぇぇ!!」

結城:はいはーい!3人目の台詞は簡単に予想できましたー!

和泉:それは君もトイレ学がわかってきた証拠だよ、結城くん。

結城:いや、オリンピックに興味もってたらたぶんわかるから。

和泉:さて、トイレ学の魅力についてちょこっと語ったワケだけど。

結城:もう十分おなか一杯だよ。

和泉:ん?おなか一杯?じゃあもっと聞かせておなかを下してトイレに連れてってあげよう!

結城:もう結構!

2人:ありがとうございました。




その発想とテクニックは、もはやブランドと呼べるほどのもの。その戦法とポテンシャルで、他軍を圧倒するか!?


潮江軍整備兵:オチなんて飾りです。偉い人にはそれが分からんのですよ。




目指せ、長文天下統一
ネオ潮江軍団

コント/聖徳太子のオールナイトニッポン

「日出ずるところの天子、ニッポン放送をお聞きの皆さんへ楽しいお喋りを致す・・・
 聖徳太子のオールナイトニッポン!」

ターンタターン ターンタターン ターンタターンタン
ターラタラッタッ タッタラタッタッタラッ
タッタラタッタッタラッ タラッタラッ タラッ
ボボンボンボーン

聖徳太子:どうもこんばんはー、聖徳太子です。

推古天皇:こんばんはー、推古天皇です。

聖:いやー、つい先日の話なんだけどね。パスポートを取得しに行ったんですよ。
  で、そん時に提出する書類にさ、職業を記入する欄があるよね。

推:うん、あるねぇ。

聖:あそこに何て書いたらいいか、いっつも困るんだよね。

推:あぁ確かにそれはあるね。正直に摂政って書けばいいんじゃないの?

聖:でも『職業:摂政』って書いてもね、受付の人が若い子だったら「?」って顔をされるんだよね。
  今どきの子は摂政って言われても分からないのかな。
  だから、分かり易いように「日本初の摂政」って書いてやると「ああっ」って納得した表情になるんだよ。
  でもね、わざわざ「日本初の」って付け足したら自慢してるみたいで何か嫌なんだよなぁ。

推:分かる分かる。私もたまに「日本初の女性天皇」って書くとき抵抗あるもの。

聖:やっぱり推ちゃんも、そうなんだ。「前の一万円札の肖像」って書いた方が分かり易いかもしれないけど、職業じゃないしね。

推:あー確かにね。で、何でまたパスポートを取りに行ったの?

聖:ちょっと来週あたりに隋のほうにね、旅行に行くんだよ。

推:あはは!もう、聖ちゃんったらー。今の中国王朝は隋じゃないでしょ。

聖:そうだっけ?

推:そうよー!

聖:え?そう?今の中国王朝は宋なの?

推:違うって!宋王朝じゃなくて相槌で「そう」って言ったの!
  もう、聖ちゃんお得意の『平安ジョーク』が炸裂したわね!


聖徳太子、慌ててカフを下げる


聖:ちょっと待ってくださいよ!僕は平安時代の人間じゃなくて、奈良時代の人間ですよ?

推:知ってるわよ。でも、「奈良ジョーク」より「平安ジョーク」の方が語呂がいいでしょ。

聖:いくら語呂が良くても、誤ったネーミングですから・・・

推:うるさいわね!どうせこんな番組、馬鹿な中高生しか聴いてないんだから、
  分かりゃしないわよ!

聖:いや、そんなことは・・・


推古天皇、カフを上げる


推:もう、急にカフを下げたら音声さんがビックリするでしょ!
  何にも考えていないんだから!

聖:いやー、正直すまんかった。

推:あ、そうそう。ずっと前から疑問に思ってたんだけどね、聖ちゃんって
  7人の会話を聞き分けることができるって、本当なの?

聖:え、何て?

推:もう既に聞き取れてないし!私一人しかしゃべってないのに!

聖:はははは。冗談だよ、冗談!

推:何だー。またお得意の平安ジョークが炸裂したわね!

聖:我ながら、会心のジョークだったな!

推:本当に。まさに、『大化の改新のジョーク』だったわ


聖徳太子、またもや慌ててカフを下げる


聖:ちょっと!僕と大化の改新はあんまり関係ないですよ?

推:うるさいなー。そんなもん、雰囲気で言ってりゃいいのよ。
  馬鹿中高生は気付かないわよ。


推古天皇、カフを上げる


推:もう!また懲りずにカフを下げる!

聖:いやーごめんごめん。正直、すまんかった。

推:で、さっきの話の続きは?

聖:あ、そうだったね。7人の話を聞き分けられるってのは本当だよ。

推:本当なんだ!すごーい!

聖:でもねー、この能力を持っててもいいことばかりではないんだよ。
  例えば、ゴスペラーズっているじゃん?あの人たちの各パートもさ、
  全部別々に聞き取れるから、全然ハモってるように聞こえないんだよね。

推:あぁ、それはそうかもしれない。でも、いいことの方が多いんじゃない?

聖:多くはないけど、確かに得だなって思うときはある。
  例えば、僕の部屋にはテレビが7台あるんだけどね、日テレ、フジ、TBS、
  テレ朝、NHK総合、教育、テレ東、の7局を同時に聞けるんだよ。

推:はぁ?何言ってんの?

聖:何って・・・

推:あんたさ、奈良県民だろ?だったらさ、読売、関テレ、MBS、ABC、
  NHK総合、教育、奈良テレビ、の7局だろ?

聖:まぁ・・・

推:あのさ、奈良の田舎もんのクセに東京人ぶるの止めてくれない?
  それに、さっきから無理に標準語をしゃべってるしさ。
  都が東京に移ったからって、媚びを売るのは止めたほうがいいよ。

聖:・・・・・。
  えー、聖徳太子のオールナイトニッポン、この番組は、奈良健康ランド、近鉄あやめ池遊園地、奈良ドリームランド、
  以上各社の提供で、奈良公園をキーステーションに全国36局ネットでお送りしております。
  さぁ、ここで1曲お聞きください、

推:ちょっと待って。

聖:・・・何?どうしたの?

推:前から不満に思ってたんだけど、何でこの番組は「聖徳太子の」なわけ?

聖:・・・急に何を言い出すんだよ?

推:おかしいと思わない?あんた摂政でしょ?私、天皇よ?
  天皇である私が、摂政のバーターみたいな扱いになってるのはおかしくない?

聖:・・・いや、それはプロデュサーに言ってもらわないと・・・

推:それにさ、オンエア中もちゃんと敬語使って欲しいんだけど。さっきから何を一丁前にタメ口聞いてんの?
  自分の方がちょっと知名度あるからって、調子乗ってんじゃない?

聖:・・・すいませんでした・・・

推:とにかく、来週からは『推古天皇のオールナイトニッポン』じゃないと私出ないから。
  プロデューサー聞いてる?脅しじゃないからねこれ。

聖:・・・・・。
  さぁ、ここで1曲お聞きください。蘇我入鹿で『なごり雪』。


終わり





文章型のお笑いを確実に個性へと昇華して来た。さあ、ここでオナ禁を解禁したときのように爆発するがいい!


果たして日本海でカジキマグロは釣れるのか?  否!釣れる訳が無い!
しかしそれでも男達はカジキを追うのだ!そこに夢がある限り!
第一章:「どうせ『股間のカジキ』とか言うんだろうがボケが」ご覧下さい!

(ナレーション:大橋のぞみ)




笑えまんとるこ帝国!! ←このアレンジを一辺さんに3000円で売る。 
くるぶしソックス

コント・日本海上

ここは船の上、冬の凍てつく日本海の上。
小型船舶免許を持つおまりーの運転につられ、俺はここまでやって来た。
冬の日本海でやることといえばそう、マグロの一本釣り。それしかない。
雲天の下に浮かぶ小型クルーズには、ありったけの夢がつまっているのだ。

いそいそと俺は準備を始める。釣竿をセットし、船に固定する。隣でおまりーのグラサンが鉛色に光る。

さて、後はエサだけだ。俺は傍にあったクーラーボックスの蓋に手をかける。
これはおまりーが用意してくれたものだ。さて、彼は一体どんな極上のエサを用意してくれたのか。

期待を込めて蓋を開ける。



閉める。



いや、待て待て待て。なんか違う。俺が思っていたエサと大きく違う。エビでタイをとか、魚類とか哺乳類とかそういう問題じゃ


そこまで思考回路を巡らすよりも早く、『彼女』は蓋を突き破る勢いで飛び出していた。



クーラーボックスから飛び出したのは、大きな国で国務長官をやってらっしゃったような顔立ちの黒人女性であった。

そして一言、
「コンバンワ、ハッマチャンディース!」


状況が、飲み込めない。



呆気にとられている俺を諭すかのように、おまりーが口を開く。


「紹介しよう、釣りエサのハマちゃんだ」


こんな事を梅宮みたいな、辰夫みたいなダンディフェイスして言うもんだからビックリした。
おかしい。これどう見てもハマちゃんちゃうわ。釣りバカのオッサンでは無いわ。黒いワンピース姿とか、もうこれどう見てもネオン街に居そうなお方やわ。
そしてクーラーボックスの中に居たとかもうアレか。密入国のプロか何かか。


「今日ハヨロシクネ、シャッチョサーン」


確信した。この人はグレーラインの上で生活してらっしゃる方だと確信した。
確かに彼女は社長サンと言った。なんやそれ。ハマちゃん、スーさんの間柄か。こんなハマちゃんに一本釣りなんて無理だ。ていうかエサって何だ。

「一本釣リハ得意デース、70分こーすハ8000円カラデース」

そっちの一本か。男のマグロか。何が悲しくて冬の日本海上でそんな…



「…
  あっごめん、千円貸してくれない?」


おまりぃぃぃぃ


危ない。気を確かに持て、俺。この日本海の荒波のような急展開に流されてはダメだ。
しかし深呼吸を一度し、ありったけの怒りを口にしようとしたその時には、もう事件は起こってしまっていた。


そう、俺が怒鳴ろうとした時にはもう、ロープで自らを巧みに縛ったハマちゃんが、海に飛び込んでいた。
「アンタが言いたい事は分かってまっせ」みたいな表情を浮かべながら飛び込んでいた。ウザい。


もう、もうこの展開にはもう絶句せざるを得ない。もはやハマちゃんの脳内に脳髄かじり虫的な何かが侵入したとしか思えない。
自殺行為としか思えない。ハマちゃん凍死しちゃう。冬の日本海で凍死しちゃう。無駄に亀甲縛りだった事には触れたくない。


早く引っ張り上げろ、と怒声を上げながら俺はロープを手繰り寄せる。
梅宮おまりーは「もしかしたら…」と言いながら後ろポケットをまさぐっている。千円は諦めろと言いたい。もはやダンディズムの欠片も無い。謝れ、辰夫に謝れ。ついでに
アンナにも謝れ。


やがて頭蓋が見えてきた。やった、もう少しだ。俺は最後の力を、渾身の力を込めてそれを引っ張り上げた。


ダッパーン



元国務長官ソックリのハマちゃんは、なんと『大物』を捕えていた。


彼女の腕の中には魚っぽいもの、が居た。  松方弘樹っぽいもの、が居た。


厳密に言えば松方弘樹の顔面をしたカジキマグロが居た。
シーマン。これはシーマン。「ヨイヨイ一本食わされたね」とかダミ声で喋ってる、鼻が異様に尖ったシーマン。
何故彼が八千円を口にしているのかは訊かない。松方の兄貴のイメージが壊れるから訊かない。

そんなシーマンから視線を戻すと、なんと(というかやはり)ハマちゃんは日本海の水面のような色の顔をしていた。俺は彼女に駆け寄った。

「オオウ…視界ボヤケテヨク見エナイ、アナタろぺすカ…? アナタダケヨ、私ヲヤラシイ目デ見ナカッタノハ…
  アリガトウ、サヨウナラ…」


いや、世の9割方のオスはアンタをそんな目で見てないよ。多分アンタが出会ってきた男は奇跡的にも猛り狂う一割のオスザル達だったんだよ。


「ヨイヨイヨイこれはヤバいよ!マウス・トゥー・マウスだ!」 

そんな俺とは対照的に、松方マグロは高らかに叫んだ。嬉しそうに叫んだ。そしてビッチビッチしながら目を閉じたハマちゃんに近づいた。


鼻が邪魔する。チューしたくて、松方は必死にビチビチする。でも鼻が邪魔する。  



違う、親分はこんなんちゃう。



その光景を見て、グラサンおまりーは勝ち誇ったように拳を突き上げたかと思うと

「よっしゃ!じゃあ俺がおろろろロ!!!」


吐いた。勝ち誇ったように吐いた。 なんやねんこれ。なんやねんこれ。


くそ、俺がやるしかないのか。命が係ってるんだ、つべこべ言っていられない。俺は意を決すとハマちゃんの…

!!

その瞬間、俺の目の前にはタコが居た。ハマタコが居た。彼女は俺の唇に吸い付いていた。目をランランと輝かせて。

「流石ハマちゃん、『釣り』のプロや!」

声がした方向を見やると、いつの間に準備をしたのだろうか。
松方が自らまな板の上に乗り、おまりーが「新郎新婦の熱いキスをご覧下さい!」と言いながら包丁を研いでいた。
全ては罠だった。海のさざ波がメンデルスゾーンの『結婚行進曲』に変わる。

俺の結婚式会場はたった今、海上に決定した。








キミ:さあ、後半最初の7組を見てまいりました。この7組は、一番の激戦区と呼ばれたほど強豪が固まったブロックでしたね。

シン:確かにすごいなぁ・・・。

ケイ:一つ思ったんだけどさ。

シン:なんだ?

ケイ:これ、参加者の紹介みたいなのをさ、あとに持ってきたほうが参加者をいじれたりしてよかったんじゃないかな。

シン:あー、確かに。

キミ:そうだよなぁ。あとに持ってくれば、面白い挑戦前コメントをしてくれてる人をおいしく出来たかもしれないのになぁ。
   ま、偉い人にはそれが分からんのですよ。

シン:えらい人って言うか、えらそうな人って言うか。

ケイ:そうそう、つまんないのにえらそうな人ね。









KK:(あいつらの劇場は今後西都市民会館に決定だな。)


最後の7組へ