(がちゃっ)

健太:あー・・・疲れたー・・・。・・・あ、課長が仕事のメール送るとか言ってたっけ・・・。
  
(電源を押す)

健太:んー・・・起動までの時間がバラバラなのが難点だよなぁ・・・。

はづき:スー・・・スー・・・。

健太:・・・ほら、起きろー。仕事してくれー。

はづき:うぅん・・・ん・・・おはよー・・・。

健太:夜9時だけどな。

はづき:まぁあたしには起きた時間が朝だからなー。

健太:で、寝る時間が夜と。

はづき:・・・・・・あっ。

健太:・・・・・・?

はづき:・・・・・・・・・なんでそんなパジャママジマジ見てんのよー!恥ずかしいじゃないのー!

健太:・・・だったら早く寝巻きから着替えろよ。

はづき:・・・・・・・・。

健太:・・・・・・・今度は何だよ。

はづき:あっち向いててっ!!

健太:・・・はいはい。コーヒーでも入れてきますよー。





健太:出来たかー。

はづき:うん、着替えたよ。あ、メール着てたよ?

健太:知ってる。読んでくれ。

はづき:ほいほい。えーっと・・・・・・。・・・・・・。

健太:・・・・・・?

はづき:難しい漢字多くて読めない・・・。

健太:・・・こっち見せてみ。

はづき:はい。

健太:・・・ふむ。会議が2日早くなったと。・・・・・・2日早くなった?!・・・やべぇなこりゃ。

はづき:急いでんの?

健太:まだ多少あるんだけど・・・つかみのあたりまでしか準備してない。

はづき:そりゃまずいねー・・・。

健太:この間、ちょっとやったパワーポイントあるだろ?取ってきてくれ。

はづき:りょーかい。ちょっと待っててねー。

健太:オレはこの間につまみでもとってくるかなー・・・。

はづき:・・・・・・・・・・・・・・・・健太ー?

健太:ん?

はづき:無いよ?健太が欲しいのって、「会議7」ってやつだよね?

健太:・・・変だな。お前どっか間違えてしまったんじゃねぇか?

はづき:んなわけないよ。あたし、健太が保存したのを取ってくる。ってのが仕事なんだから、ファイルをしまうことは出来ないの。知ってるでしょ?

健太:・・・そっか。

はづき:それにしてもさ、どーこ行ったんだろね。

健太:片っ端から探してくれないか?

はづき:いいよー。これは・・・違う。これも・・・。

健太:オレがパソコンの中入れたらなぁ。一緒に探せるんだけど。

はづき:そんなこと言ってあたしの着替えとか覗くつもりでしょー?

健太:覗かねぇよ。お前そんな魅力的なスタイルでもないし。

はづき:失礼だなもー!探さないよー!?

健太:ごめんごめん。

はづき:・・・・・・あ、あったー!

健太:どこに?

はづき:ほら、「かいぎ7」になってた。ひらがなだと違う場所に保存されちゃうからなぁ・・・。

健太:あー・・・。そんなことより、それ早く開いてくれ。

はづき:よいしょ、・・・えい!

健太:よし・・・まずは・・・そうだな、「重要な」って文字を赤くしてくれ。

はづき:はいはい・・・あれ、赤のスプレーは・・・あ、あったあった。

健太:ムラなく塗ってくれよー。

はづき:(シュー・・・)

健太:(カタカタカタカタ・・・。)

はづき:塗れたよー。

健太:サンキュー。・・・じゃあ休んでていいぞ?

はづき:・・・仕事するぅ!

健太:・・・お前色塗り以外下手だろ?

はづき:下手でもいいのー!1文字でも2文字でも進められた方が楽でしょー?

健太:まぁ・・・そうだけどさぁ・・・。

はづき:手伝う!何て打てばいいの?!

健太:・・・内角低めのストレートをこう・・腕を折りたたんでレフト方向に・・・。

はづき:・・・そうそう。右打者は腕をたたまないと内角打てないからね・・・ってバカ!

健太:・・・・・・「研究」って文字打っといてくれ。

はづき:・・・けんきゅー?

健太:・・・・石って打って。

はづき:「石」。

健太:・・・鳥居みたいな・・・のを石の隣に。

はづき:・・・「研」?

健太:そうそう。で、うかんむりに、漢数字の八に、九。

はづき:・・・・あ、「研究」!

健太:・・・他にどんな研究があるんだよ。

はづき:「剣級」。

健太:・・・・・・次にな・・・。





はづき:ふー・・・終わったー!

健太:お疲れー。

はづき:じゃあこれをしまって・・・っと。

健太:・・・することないし・・・マインスイーパでもするかな。

はづき:・・・えっ?!

健太:・・・そこまで目を見開かなくても。

はづき:健太さ、地雷が近くで爆発する恐怖知ってるの?!

健太:・・・・・・中級でいいかな。

はづき:わぁー!!・・・ヘ、ヘルメットどこやったっけー?!

健太:カチッ・・・ここが1だから・・・ここはセーフだろ。カチッ。

はづき:あ、あった!(カポッ)・・・ブルブルブルブル・・・。

健太:んー・・・どっちだろーなぁ・・・。

はづき:爆発するかどーか迷ってるなら辞めてよー!!

健太:・・・・・・カチッ。

はづき:・・・・・・。

(シーン)

はづき:良かったー・・・。

健太:・・・2回戦行ってみようか。

はづき:・・・・・・泣くよ・・・?

健太:・・・・・・分かったよ・・・。





健太:うーし、じゃあパソ切るぞー。

はづき:・・・えっ?

健太:・・・いや、パソコン切るぞ。って。

はづき:えー・・・・・・もうちょっと・・・起きてちゃ・・・ダメ・・・かな?

健太:・・・別にいいけど。何で?

はづき:んー・・・せっかく起こしてもらったんだし・・・ね・・・。

健太:・・・?

はづき:健太ともうちょっと話したい・・・なんて。

健太:・・・お茶いるか?

はづき:飲むっ!





はづき:でさー。大変だったんだよー。

健太:それは一大事だなぁ。

はづき:ねぇ・・・。んー・・・眠くなってきちゃった・・・。

健太:・・・じゃあ・・・切

はづき:やだっ!もうちょっと話す!

健太:・・・だって・・・眠いんだろ?

はづき:眠いっていうか・・・なんか・・・変。

健太:・・・?

はづき:吸い込まれていくような・・・感じっていうのかな。

健太:・・・まさか・・・ウィルスか?

はづき:・・・・・・・?!・・・あたし・・・消えちゃうの・・・?!

健太:・・・いや、ウィルスだとしても・・・かかり始めなはずだ。

はづき:治すには・・・どうするの?

健太:・・・・・・・・・凄く言いにくいんだけど・・・。

はづき:・・・・・・?

健太:・・・・・・。

はづき:・・・何でもするからさ。

健太:・・・上の服・・・脱いでくれ。

はづき:・・・・・・えー?!

健太:胴体の色を見て大体分かるんだよ・・・。

はづき:・・・・・・・・・脱ぐ。

健太:・・・女の子・・・だけどいいのか?

はづき:・・・健太のそばいたいもん・・・。

健太:・・・じゃあ・・・脱い

(プシューン:画面が暗くなる)

健太:・・・あれ?!(パソコンを見渡して)・・・・・・・・・あ。

(カチカチッ)

はづき:うわー!!・・・あれ?

健太:・・・あのな。

はづき:ウイルスにやられたかと思った・・・で?

健太:・・・待機状態になっただけだった・・・。

はづき:・・・・・・ぷくー・・・。

健太:・・・ほっぺを膨らまさないでくれ。

はづき:ファイル全部消してあげてもいいんだよ?!

健太:・・・何をすれば許してくれる?

はづき:新しい服買って♪

健太:・・・はいはい。

はづき:返事は1回!

健太:はい・・・。

はづき:でもね、ウィルスじゃなくて・・・ホントよかった。

健太:・・・だよな。

はづき:さーて、ネットショップ行って服見てくるねー!

健太:・・・あんまり高いのは止めてくれよ?

はづき:・・・ファイル全部消してあげてもいいんだよ?!

健太:・・・・・・・・どうぞ、お好きなものを。

はづき:行ってきまーす!

健太:・・・・・・そこでウィルス引き連れてこないようにな。

はづき:・・・・・・多分ね、健太のコト思ってれば、なんか変な事になっても健太が気付いてくれるでしょ。じゃ!

健太:・・・大事に思ってくれてるんだ・・・・・・あいつのこと、大事にしないとな。




はづき:はっくちゅん!
    ・・・健太、あたしのコト思ってくれてるー♪







FIN